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パラレバーのテーパーローラーベアリングを交換

2011年10月8日(土)~10日(月) 143,004Km

準備が整ったので3連休初日からベアリング交換に挑戦した結果、ドライブシャフトの固着で無念の一時休戦。

連休2日目はお友達家族とBBQの約束があり1日置いてやっと作業終了です。
怒涛の作業レポートをどうぞ(笑)。

パラレバーのテーパーローラーベアリング交換は、タイヤを外した後に、ファイナルドライブ(通称デフ)下のトルクロッドと、スイングアーム後端のスタッドボルトを左右2本外せば良いだけです。
スタッドボルトは160Nmと高トルク指定な上にロックタイトで固められているので手ごわそうですが、それ以外はさほど大変そうではありません。(相変わらず甘い読みです。)

では作業スタート。

■ファイナルドライブ取り外し編

20111010a_rt_start 20111010b_rt_lhbolt
↑目標は左右赤丸のスタッドボルト。さて、始めますか。

20111010c_rt_abssenser
↑ABSのセンサーを抜いて、ブレーキキャリパーも外します。

20111010d_rt_tirermved
↑タイヤが外れました。ここまでは慣れたもんです。

20111010e_rt_temp
↑案の定固く締まったスタッドボルトをバーナーで炙ります。非接触温度計で測りながら加熱します。
結論から言うと、100℃程度を維持して5分以上(できれば10分程度)ヒーティングしないとロックタイトが柔かくならないようです。周辺を温めて穴を広げる、とかではなく、この場合ロックタイトを熱で緩めるのが目的なのでボルト自体をガンガン炙ります。

20111010f_rt_boltrmv
↑ようやく緩みました。最初はバイクをバーナーで炙るのに抵抗を感じ100℃になったらすすぐに緩めたのですがまったく動かず。ボルトヘッドの六角の穴が変形してしまいました。スタッドボルトは(幸運にも手に入った)新品に交換です。

20111010g_rt_swingarm
↑左は比較的緩くてすぐに外れました。ドライブシャフトで引っ掛かっていましたが、強く引っ張ると・・・・ファイナルドライブは見事外れました。
但し本来外れる部分は固着していてスイングアーム側に残ってしまい、ファイナルドライブ側根元で外れてしまいました。
この時は"事の重大さ"に気付いていません。

■ベアリング交換編

20111010h_rt_bearing_2
↑古いベアリングはこんな感じ。酷いですね。もっと早く交換すればよかったです。
ベアリングのインナーは取り外し時に外れてしまいました。

20111010i_rt_bearingrmv 20111010i_rt_bearingrmved
↑適当なソケットをあてがって古いベアリングを抜きます。ピースサインは助手のHaruka。

20111010j_rt_newparts 20111010k_rt_bearinginst
↑冷蔵庫で冷やしておいたベアリングを打ち込みます。

20111010l_rt_bearinginsted
↑出来上がり。

■ファイナルドライブ取り付け断念編

さてこの後、ベアリングを交換したファイナルドライブをスイングアームに挿しこもうと奮闘したのですが、本来ファイナルギア側に残るユニバーサルジョイント付きのシャフト後端部は嵌め合いが厳しくとてもその状態でスプラインを合わせて取り付けることはできません。
2時間くらい頑張ったのですが無理なので、本来外れるべきところからドライブシャフト後端部を抜き取る事にしました。

スイングアーム後端部にステンの針金を引っ掛けて思いっきり引っ張ると・・・・・・・
ドライブシャフトが根元(ギアボックス部)からすっぽ抜けてしまいました。

20111010n_rt_driveshaft
↑すっぽ抜けたドライブシャフト。赤矢印で抜きたかったのが、青矢印で抜けてしまいました。
スイングアームがついたままドライブシャフトを挿しこむ、なんてことはできそうもないので観念してスイングアーム取り外しを決断しました。(1時間くらい悩みましたが・・・)

スイングアーム取り外し編

20111010o_rt_sideplate
↑左右フットプレートを外し、マフラーを落とし、リアサスを外します。左側はシフトリンケージ、右側はブレーキペダルがありますが、いずれも外さずにぶら下げておきます。

20111010p_rt_lhbolt_2
↑ようやく見えたスイングアーム前端のスタッドボルト。後端のスタッドボルトとタイプは同じ。サクサクとヒーティングして緩めました。

20111010q_rt_swingarm
↑あっという間にスイングアーム取り外し完了。但しこの状態でもドライブシャフトは前にも後ろにも抜けません。

20111010r_rt_shaft_2
↑赤矢印部が本来外れる部分。固着して外れません。

20111010s_rt_wakos_2
↑WAKO'sラスペネで漬け込んで一晩置きます。ドライブシャフトのダンパーゴムにラスペネが掛らないようにマスキングしてあります。

20111010t_rt_rmvshaft
↑シャフトが側を万力で加えてバールで後端を叩いて外しました。(こう書くと簡単ですが結構大変でした)

20111010u_rt_gear
↑外したスプラインをクリーニングして点検すると、歯の表層が剥離し始めています。これが固着の原因でしょうか。14万キロの間、1度も外す事が無かった為にこうなったのでしょう。
※クラッチ交換時には必ず外す場所なので、通常これくらいの距離であれば外した履歴があるのでしょう。海王は14万キロクラッチも無交換なのでバージンでした。

この部分は通常の走行でも僅かにスライドしてドライブシャフトの長さの調節をしているはずですが、いつから固着していたのでしょう。
謎は深まりますが、換えのパーツもありません(ちなみにディーラーで買うと8万円。もちろん在庫なし)し、今回はこのまま再使用します。

20111010v_rt_driveshaft
↑こちらは前部のドライブシャフト。P/Nが刻印されています。後でこのP/Nを参考に前後セットでシャフトを調達したいと思います。Motobinsで4万円弱で買えそうです。

■スイングアーム/ファイナルドライブ取り付け編

さて、あとは復旧あるのみ。外したパーツを慎重に元に戻します。

20111010w_rt_swingarminst
↑スイングアーム前端のゴムブーツ。水が入らないようにしっかり被せます。

リアサスの取り付けは簡単です。下のマウントボルトに少しガタがあることを発見。ゴムブッシュがへたってきているのでしょうか。今回はそのまま取り付け。
マフラーを正規位置に固定したら左右フットレストプレートを復旧します。大きさ長さの違うボルトが沢山ですが、付くようにしか付きません。サクサク作業を進めます。

ファイナルドライブに取り外したドライブシャフト後部を挿しこむのは相当硬いです。これをスイングアームに取り付いた状態で行うことは無理でしょう。外したのは(大変でしたが)正解でした。
最後にファイナルドライブをスイングアームに(今回固着していた)スプラインをあわせながら差し込んで出来上がりです。綺麗に掃除をして薄くグリスアップしたスプラインはまったくスムーズにクックッと入っていきました。(ちょっと拍子抜け)

20111010x_rt_finalinst 20111010y_rt_finalinst2
↑あっと言う間にファイナルドライブも取りつきました。スイングアームのスタッドボルトは前後とも右側は160Nm+ロックタイト。左側はボルトを7Nmで締めた後ロックナットを160Nm+ロックタイトです。この為に買った大きなトルクレンチが活躍しました。

■出来上がり

20111010z_rt_finish
↑タイヤをつけてカウルを復旧。スイングアーム取り付けからここまで3時間程度でした。
この後試走して不具合のない事を確認。ギコギコ音も無くなってとてもスムーズな乗り味ににんまりしながら帰宅しました。

20111010aa_rt_meter_143004

ということで、無事にテーパーローラーベアリングの交換は終わりました。
まとめとしては、

  • テーパーローラーベアリングの交換自体は結構簡単。ギコギコしている方は早めの交換がお勧め。
  • ボルトはヒーティングして緩める事が前提。120℃までの指定ですが、DIYの場合はバーナーと非接触温度計が必要でしょう。100℃程度を15分以上維持して"芯"まで熱する事が肝心です。
  • もしもドライブシャフトが固着していたら、あきらめてスイングアームを外しましょう。ファイナルドライブを外せたのであれば結構簡単です。
  • ドライブシャフトは非常に高価。ゴムダンパーも劣化するでしょうから、10万キロ超の車両であれば事前に海外から購入するなどして準備しておくのも良いかもしれません。
  • ベアリングは3300円×2個。ボルトとロックナットはセットで9000円程でした。

最後になりましたが、今回予想外のトラブルが発生した為に多くの方にサポートしていただきました。特に山の中のバイク屋さんには的確なご指示と暖かい応援を頂き、無事作業を終わらせる事が出来ました。
連休中に走行可能な状態に復旧できたことは奇跡に近いと思います。
せっかくの晴天の3連休にバイク弄りで2日を潰す馬鹿親父を許してくれた家族にも感謝です。

この場を借りて御礼申し上げます。本当にありがとうございます。

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コメント

はじめまして。いつも楽しく拝見しています。
特にオイルの詳細なレポートはすばらしいですねw

さて、ドライブシャフトの固着って、もしかしると自分と同じ状況ではないかと...。
結局自分の場合、グラインダーで切断するに至りました(;ω;)
どうぞ、無事に固着が取れます様に。

投稿: えいきち | 2011年10月10日 (月) 18時53分

えいきちさま。はじめましてこんにちは。

ご心配のお言葉、ありがとうございます。
記事を読ませていただきました。同時期に同じような作業をしていた訳ですね。奇遇です。
クラッチ交換大変そうですね。私もいつかはやらなければ、と覚悟を固めつつあります。参考にさせていただきます。
シャフトの固着は、ディーラーでは聞いたこと無い、といわれましたが、よくある話なんでしょうか?困ったものです。
私も最後は切断しかないと覚悟しながら作業していました。
今回は何とか無事(といって言いか微妙ですが)に作業終了しましたが、距離を走った車両では要注意ですね。

投稿: はるかぱぱ | 2011年10月11日 (火) 08時39分

はじめまして。
R1150GSに乗っています。
本日同じようなパラレバーから異音が出て来ました。
テーパーのベアリング交換を同じようにトライしようと思います。
motoworksから部品を取り寄せようと思いますが、品番は
・Bevel box crown wheel taper roller bearing. ( 8 valve R ) | TRA51188
・Bevel box to swingarm needle roller bearing ( R850 / R1100 / R1150 ) | TRA11091
でいいのでしょうか?他に必要なパーツありますでしょうか?
工具は準備編に書いてた30mmのソケットと、12mmのレンチでいいかなと思っています。

すいません。アドバイスお願いします。

投稿: 生姜 | 2012年5月31日 (木) 19時53分

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